#公共空間、#エリアマネジメント
持続可能な“まち“を目指す公共空間
豊島区池袋駅東口からほど近い場所に日本ではあまり見慣れない光景がある。池袋と言えば都内でも有数な繁華街をもちターミナル駅としも機能するこのまちに、中央に芝が広がり人で賑わっている公園が南池袋公園だ。
・新な公園像
公園は地域住民が平日の隙間時間や休日にふらっと立ち寄るより集う空間としてまちにとっても需要な公共空間である。しかし東京などの都市部では土地が限られ少人数だけしか使用できなかったり、税収だけでは維持管理が難しく荒廃した公園が少なくない。
そんな都内の公園像を払拭するかのように南池袋公園は豊島区と任意団体との連携による運営手法でこれまでにない公園活用方法を実施している。公園や道路といった公共空間を官民が一体となって活用する都市の舞台として位置付け、公園の運営を行政だけで行わない「誰もが主役になれるまちづくり」を進めている。
・南池袋公園誕生までのプロセス
豊島区は高密都市である池袋が位置しながら、平成26年5月8日に日本創成会議によって発表された全国自治体の将来人口推計により23区で唯一「消滅可能性都市」に指定され、行政側は早急な持続的まちの開発を必要としていた。
そんな中で公園などの公共空間の存在によって周辺地域の価値もあげれるような仕組みと場所を東京の中に実現させようとした。そこで地域住民がちょっと寄りたくなるようなサードプレイス、明るくて視覚がなく全体を見渡せて女性や子供も安心して来ていただける賑わいの場を検討した。
敷地は戦後復興の都市計画でできた公園を再整備し、園内にカフェレストランを導入している。通常は都市公園法で定める公園の収益施設は、建蔽率が2%があるが、特例を適用して建築面積を10%以内で整備した。カフェ事業者には共用施設の賃料を徴収し公園のトイレの清掃にも関わってもらっている。
またカフェレストランだけではなく東京電力変電所と東京メトロ有楽町線の地下占用料を利用し税収だけには頼らない持続可能な公園運営を展開している。
(資料:ランドスケープ・プラン)
南池袋公園では時折イベントも開催される。イベントも行政だけが運営に関わるのではなく地域住民がイベントの運営方針に参加し、イベントの資金には制限が大きい補助金ではなくカフェレストランの売り上げの一部を地域還元費として利用することで他のまちではなかなか見ることのできない光景が週末を中心に展開している。
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